競馬で感じる季節感

今年はなんかまだ年末の気がしないなぁと思ったら、有馬記念がまだ来週の28日だからかもと思った。毎年有馬記念は25日前後で、有馬記念が終わって年賀状書いたり、有馬記念で破れた夢を大井の東京大賞典に託して返り討ちにあうというのが、清く正しい年末の在り方だったりして。確かに年末の忙しさはあるけど、やっぱり有馬記念が終わって、競馬を締めないと年末の気分にならない。

これは競馬をやる人間は全員がそうだと思うのだけど、競馬の大レースで季節感を感じる。まだ年齢表記が旧式だったころは、桜花賞で春を感じ、ダービーで夏の始まりを覚え、宝塚で梅雨明け。天皇賞秋で秋を感じ、ジャパンカップで夕暮れの早さを覚え、有馬記念で年の瀬を感じ、有馬記念でやられてもう博打はやらんといいながら、舌の根も乾かぬうちにすぐ金杯で乾杯と言う。もう今は新しい番組表にも慣れてきたから、フェブラリーステークスがあれば、春はもうすぐと感じるし、スプリンターズステークスがくると、夏も終わりかと寂しくなる。清少納言が現代にいたら、競馬をみていとをかしと言っていたに違いない。


思えば競馬ほど、きっちりと日程が毎年毎年同じな野外スポーツは少ない気がする。相撲も年中やってるけど、屋内だから日の高さを感じることはできないし、野球も秋にはやってない。ラグビーも冬は感じられるけど、夏場はない。年間通して開催されて、しかも要所で耳目を集める大きなイベントがあるのは、競馬だけなんじゃないかな。やっぱり競馬は楽しい。だから負けてもやめられない。